瑕疵担保責任ってなんですか?
Q 中古マンションの購入を検討しています。売主より、瑕疵担保責任は免責という条件を提示されているのですが、どうしたらいいでしょう。そもそも、瑕疵担保責任ってなんですか?
A 後から不具合が出た時に、どちらが責任を負担するかの取り決めです。
瑕疵担保責任(かしたんぽせきにん)とは、物を売買するときに、将来、隠れた瑕疵(不具合のこと)が発見された場合に、売主が修復する責任を持つという事です。
民法では原則として「不具合が発見されてから1年」の責任を負うことになっていますが、あくまでも任意規定であり、具体的な期間が決まっていないと不動産の取引にはそぐわないため、一般的には以下のように期間を定めます。
1.中古物件の場合(売主・個人)
売主・買主の希望に合わせて、契約書で期間を決めることができます。
一般的には、「引き渡しから3か月」程度の期間で区切ることが多いです。
責任の範囲についても、「雨漏り・シロアリ」など一部に特定することができます。
「瑕疵担保責任は一切負わない。」という取り決めも有効です。
2.中古物件の場合(売主・法人)
「消費者契約法」により、「消費者」が保護されます。
「瑕疵担保責任は一切負わない。」という取り決めは無効となります。
3.中古物件の場合(売主・不動産業者)
「宅地建物取引業法」により、売主(不動産業者)に対する規制が厳しくなります。
「プロなんだから、しっかり責任取りなさいよ!」という事ですね。
責任の範囲も「土地・建物、すべての部分」についての責任を負うことが必要で、
瑕疵担保責任の期間が「2年以上」となります。
4.新築物件の場合(売主・不動産業者)
新築の場合、売主は不動産業者なので上記「宅地建物取引業法」の規制もかかりますが、
さらに「住宅の品質確保の促進等に関する法律」にる規制がかかります。
「建物の主要な部分等」について、「10年以上」の責任を負う事と定められています。
つまり個人間の売買においては、瑕疵担保責任は任意で取り決める内容であり、「将来の修繕リスクをどちらが負担するのか?」という問題です。
「価格を安くしたからリスクは負いたくない。」とか、「建物が古いので、とても不具合の責任は負えない。」など、売主様のご事情もあるでしょう。
修繕費用がかかるリスクの分だけ価格が安くなっているのであれば、「瑕疵担保責任免責」での契約も妥当なものだと思います。
ただし、「瑕疵担保責任免責」で購入契約をする場合には、あらかじめ、建物に不具合がないかどうか、専門家による調査を行うことをお勧めします。
調査を入れたからと言って絶対大丈夫というわけではありませんが、致命的な問題は発見できる可能性が高く、また、将来負担が必要な費用の見込みも立ちます。